こんにちは!
5月10日から7月16日まで、陸前高田ほんまる株式会社でお世話になりました、加賀澤ひかるです。気づけばもう海開きの季節…。あっという間の2か月でした。
私はJICA青年海外協力隊員として、2024年11月以降エジプトに派遣される予定です。派遣前研修としてJICAが取り組んでいる『JICAグローカルプログラム』に参加し、陸前高田で実習をすることになりました。
『JICAグローカルプログラム』とは、JICA青年海外協力隊の合格者が派遣前訓練の一環として、国内の地域活性化の取り組みを知ることで、海外での協力活動において有益な実務経験や知見を得るプログラムです。陸前高田市の他、秋田県五城目町、島根県海士町、愛媛県伊予市など、全国各地で活動しています。
私が陸前高田を希望したのは地元関西からなるべく遠く、知り合いが1人もいない土地に行こうと思ったからです。
本当に1人も知り合いがいないところでの実習は緊張の連続で、実習が始まったころには空振りばかりしていました。
私が陸前高田で落ち着いて過ごすことができるようになったのは、陸前高田ほんまる㈱で実習ができたからでした。私は交流施設ほんまるの家で過ごすことが多かったのですが、ほんまるの家はまちなかにあるので人が集まってきやすく、まちを訪れた人とお話する機会が多かったように思います。ほんまるの家の利用者さんやまちなかのお店の方との出会いが、新たな出会いにつながることもありました。
また、陸前高田ほんまる㈱が企画するイベントには出店者さんやお客さまを含めて多くの人が集うので、その場で知り合いになったり交流を深めることができます。私の場合、5月末に開催された『ほんまる一箱古本市』が、陸前高田の方と出会うひとつのきっかけになりました。
一箱古本市といえば「まちづくりってこんな風にするんだ」と初めて感じたイベントでした。みんなでテントを設営して、開催中は出店者さんやお客さんと交流して、片付け後は次回に向けて話し合い。最初から最後まで、みなさんが本当に楽しそうで、本が好き、このまちが好きなことが伝わってきました。
ところで私は実習中、イベントを開催するという、自分自身にとって初めての挑戦をしました。以前陸前高田ほんまる㈱で実習を行い、現在ジョージア国に派遣中の青年海外協力隊員とオンラインでつなぎ、本場ジョージアのレシピを教えてもらいながら料理をするという企画でした。「イベントってどうやってするの?」から始まり、ああだこうだ言いながらなんとかカタチになりました。イベント運営には慣れっこのほんまる㈱のスタッフさんに頼りっぱなしでした。
イベント運営のノウハウを学ぶと同時に、陸前高田と実習生の関係性も目の当たりにしました。海を超えて一緒にイベントを開催したり、そろそろ派遣国から帰国する以前の実習生の話をしたり…。実習が終わったから関係も終わりではなく、時間が経っても続く関係を築くことができるのは陸前高田だからこそ。「ヨソモノ」の実習生を受け入れる陸前高田の人のやさしさを感じました。
私もこれからも陸前高田と関係を築いていけたらいいなぁなんて思っています。陸前高田ほんまる㈱で過ごしたからこそ、まちの人とお話しして、まちを知って、また戻ってきたいと思うようになりました。陸前高田のみなさん、私をあたたかく迎えていただきありがとうございました。
エジプトへの派遣は、約2か月間の語学訓練を終えてからになります。もちろんエジプトに知り合いなんていないし、文化も言葉も全く違うところで2年を過ごすことになります。ですが私には陸前高田で過ごした経験があります。もしエジプトで悩んだり困ったことがあっても、きっと思うはずです。「陸前高田で同じことが起こったらどうしただろう?」と。その時は、陸前高田のみなさんにいただいた優しさを思い出して元気に頑張ります。
最後になりましたが、陸前高田ほんまる㈱のみなさんには大変お世話になりました。困ったときには助けていただいて、失敗したときには優しく背中を押してくださいました。ここで実習ができて本当によかったです。ありがとうございました。
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